「北風と太陽」の世界

かの有名な「北風と太陽」のお話。

 

昔から人は、とてもシンプルだけれど、

人間の心の本質をとらえたこの深い話を思い出しては、

いつの間にか忘れてしまう、

そんなことを繰り返しているのかもしれません。

 

 

北風は、

風をビュービュー吹かせて

旅人の服を脱がせようと試みますが、

旅人はより一層寒さに震えて服にしがみつき

一向に脱がせることができず・・

 

一方、太陽は、

自らのあたたかな光を発し続けることで、

旅人をあたため、

旅人は自然と服を脱ぎたい気持ちになり、

自ら服を脱ぐことになります。

 

 

学校や会社など、これまでの社会においては

「北風を吹かせる」ことが主流でした。

 

 

ルールや制度、規律というものを重んじ、

社会的地位が上の者がこれに従うように指示をし、

下の者が従順に従う、

 

指示に従わない者がいれば、

厳重注意や、場合によっては罰則を与えるなどして、

恐れや罪悪感を与え、

何かをするにつけ、いつも辺りの様子を伺い、

失敗しないように注意を払って

対応する・・

 

そんな「北風コントロール」に基づいた

社会が、学校なり会社なり、その他大小問わず

多くのコミュニティにて展開されてきたように

思います。

 

 

それが当たり前だったし、

今でも、そのような世界しかない

と思っている人も多いかもしれません。

 

禅(ZEN)でいうところの、

「自我(エゴ)をベースとした恐れの世界」

=北風コントロールの世界

といっても良いでしょう。

 

この世界では、

旅人だけでなく、

北風も恐れに基づいています。

北風は、外側をコントロールすることによって、

秩序が保たれて、なんとか安心が得られると思っているし、

自身の価値や力を証明できると思っているから。

 

裏返して言えば、

今の状態では、

安心を得られずに恐れや不安を抱いているし、

今の状態ではダメだと思っているし、

力のなさを感じている(だから外側に証明したい)

ということです。

 

北風も旅人も、みんな恐れという城壁の中で

生きています。

 

 

一方で、太陽は、旅人の思いを尊重しています。

 

太陽は別に、旅人に服を無理やり脱がせようとは

思っていません。

 

太陽は愛そのものであり、恐れがないので、

旅人の今の状態をそのまま受け入れています。

(脱いでも脱がなくても、どっちだっていいよ、という

心境です。)

 

太陽自身の中で常に自家発電している

あたたかな光(愛)が、自然に漏れ出し、

いつも辺り一体を大きく照らしています。

 

その光(愛)のエネルギーが大きければ大きいほどに

より辺りを照らし、

旅人をあたためていきます。

 

旅人は、太陽のあたたかな愛の光によって、

服(という恐れで自身を小さく見積もっていた勘違いの自分)を

脱ぎ捨て、

太陽と同じように、本来の自身の光を思い出した

のかもしれません。

 

恐れからの対応は、恐れを引き寄せ、

愛からの対応は、愛を引き寄せる。

 

全ては本来、(目にみえる物質含め)エネルギーから

成り立っているこの自然界の仕組みです。

 

そして、北風が悪いのではありません。

 

北風も、自身の中にある太陽の光を

すっかり忘れてしまっただけで、

もうすでに、その光の中にいます。

 

恐れの世界も単なる一側面であり、

太陽が暖かく照らす愛に満ちた世界も同じ

時空間に存在しています。

 

ただ、これまでの習慣で、

すっかり恐れに「フォーカス」しているので、

その光が見えなくなってしまっただけ。

 

北風自身も、長い間、北風をビュービューと吹かせること

は、疲れるし、恐れや心配などで

あまりいい気分ではないし、

時に旅人からも疎まれて、正直しんどいのではないでしょうか。

 

 

本来の、太陽である自分を思い出していくには、

とてもシンプルですが

今、いい気分でいるか

今、安心と幸せの感覚に包まれているか

です。

 

そこにいつも戻る、と心の内で決意するだけです。

 

今、安心と幸せを「感じている」とき、

すでに自身が恐れから解放され、愛の光の中にいます。

 

その光で辺りを照らすとき、

真に安心と幸せに満ちた世界が訪れるでしょう。

 

なぜだか、昔から好きだった、「北風と太陽」の話が

ふっと浮かびましたので、流れのままに書いてみました。

 

今日の東京は、太陽のあたたかな光に照らされて、

ポカポカと心地よいひとときが続いています。

 

それでは今日も一日、ウェルビーイングなひとときを

お過ごしください^^

 

はなみ ゆうか

 

 

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